合弁契約ご承知のように、今までは日本企業が中国に進出する際に、中国企業をパートナーとした合弁契約により「合弁会社」を設立するケースは多くなっていました。しかし、2020年1月1日から「中華人民共和国外商投資法」及び「施行条例」が施行され、三資法と呼ばれていた「中外合資経営企業法」、「外資企業法」、「中外合作経営企業法」及びその施行条例が廃止されました。
新法の施行により、会社の組織形態や機構が大きく変化しています。
このページでは、中国での合弁契約に関する基本的な注意点をまとめています。

当事者

旧「中華人民共和国中外合資経営企業法」では外国側の当事者は外国の企業・会社、その他の経済組織又は個人も可能になっており、中国側は原則として個人は当事者になれないとなっていました。
しかし、今度の改正では共同して中国国内において外商投資企業を設立する場合及び新たなプロジェクトに投資する場合には外国投資者と共同して投資する「その他の投資者」として中国の自然人も当事者の範囲に入ることになりました(「中華人民共和国外商投資法施行条例」3条)。

投資総額と登録資本との差

投資総額が登録資本と差がある場合、投資総額と登録資本の比率については、法規により制限されている(「中外合弁企業の登録資本と投資総額の比率に関する暫定施行規定」(第3条)ため、注意が必要です。

出資期限

出資期限については会社定款において記載された出資期限内に出資を完了すべきと定めております。会社定款は株主が共同で制定するものとしています。(中国会社法23条、24条、25条、28条)

登録資本金を変更する場合の登記

中国会社法43条2項によると、株主会会議が登録資本金の変更について決議する場合には3分の2以上の議決権を有する株主の採択が必要としています。
また、登録資本金を変更した場合には会社登録機関に変更登録をしなければなりません(中国会社法179条)。

董事会の成員数

董事会の成員数は原則として3~13人とされています(中国会社法44条1項)。
董事会の成員数について旧中華人民共和国中外合弁経営企業法施行条例(現廃止)31条1項では3人を下回ってはならないと定めていましたが、今度の「中華人民共和国外商投資法」の施行により外商投資企業の組織形態、組織機構、及び活動規則は中国会社法、中国国パートナーシップ企業法の規定を適用すると定めました(中国外商投資法31条)。この規定により董事会の成員数は3人以上から3~13人に変更しなければなりません。

中途解散事由

合弁会社の解散事由については、できる限り具体的にかつ網羅的に決めることが重要です。
合弁会社からの撤退を巡って、特に日本側合弁当事者が撤退したい場合において紛争が多発するため、解散事由については慎重な検討が必要となります。

適用法律

中国国内で履行される合弁契約については、中国の法律を準拠法とすることが義務付けられています。(「中華人民共和国契約法」(1999年10月1日施行)126条2項)

合弁契約の発効日

中国外商投資法は特に許可を必要とするネガティブリストに該当する特定領域以外の投資は外商投資法31条により中国国パートナーシップ企業法19条1項が適用され、パートナーシップ契約は全てのパートナーシップ構成員のサイン、押印後に効力を生ずると定めています。
ネガティブリストに含まれる外商投資についてネガティブリストにおいて禁止領域であれば当然投資参入できず、制限領域であればネガティブリストの定めた条件に適合しなければなりません。
また、ネガティブリストに該当する特定領域の以外の投資については国民待遇を与えると定めています。

組織形態の変更

中国外商投資法及び施行条例によると、旧三資法により設立した外商投資企業は外商投資法施行後5年以内に中国会社法、パートナーシップ企業法等の法律の定めに従い組織形態を変更することができ、又は5年以内に原組織形態を保留することができると定めています。5年の過渡期後には中国の会社法、パートナーシップ企業法が適用されます。
そのため、企業の定款や合弁契約等の変更が必要となります。