化学品のSDS(安全データシート)

化学品は現在社会の発展、民衆の生活に必要不可欠な存在であり、人の健康や環境への悪影響をもたらさないよう適切に管理する必要があります。様々な化学品が世界各国で流通する中、国際標準としてSDS(安全データシート)がつくられました。そのSDSの基礎知識を簡単にご説明します。

SDSとは?

「SDS」とはMaterial Safety Data Sheetの略称で通称安全データシートです。有害性のおそれがある化学物質を含む製品を他の事業者に譲渡、又は提供する際に、対象化学物質等の性状や取り扱いに関する情報を提供するための文書です。

SDSはどんな場合が必要?

通常、次の状況でSDSの提供が求められます。

  1. 税関検査 (成分が禁止品目かどうか。企業の製品が有害化学物質のリストに記載されている、またはGHS基準に従って危険であると分類されている場合)
  2. 貨物輸送申告(製品の輸送規定による)
  3. 顧客の要件(地域ごとに異なる規制)
  4. 企業の安全管理(製品の危険特性による)
  5. 危険登録(厳格な安全管理)

SDSはどんな物質が必要?

製品が製造工程で化学製品を使用している場合、顧客向けのSDSレポートを作成する必要があります。

例えば、紙製品の製造工程で漂白剤などの化学製品が使用されたり、繊維製品の製造プロセスで染料などの化学物質が使用された場合、その繊維製品および紙製品の製造業者は、顧客に製造プロセスで使用される化学物質のSDSレポートを提供する必要があります。または、漂白剤、染料のSDSが、サプライヤーにとって必要となる場合があります。法的には以下の四つがあります。

  1. 関連する規制に従って、危険物または危険物を含む混合物として分類された物質。
  2. 物質または混合物は危険物として分類されていないが、懸念のある物質(SVHC *)またはその他の危険な成分が一定の割合で含まれている。
  3. 対応する基準に従って、難分解性、生体蓄積性、毒性(PBT)が高いと判断された物質。
  4. 製品が上記の条件を満たさないが、所管官庁または輸入業者がそれを提供することを要求した場合、あるいはより厳密な分類を要求した場合。

SDS、MSDS、GHSの違いは?

前に欧州連合と国際標準化機構はどちらもSDSの用語を使用していますが、米国、カナダ、オーストラリア、およびアジアの多くの国では、SDSは「MSDS」(Material Safety Data Sheet)とも呼ばれています。

役割同じですが、内容に僅かな違いがあります。

SDS
SDSは危険を示すために製品識別、危険ステートメント、およびピクトグラムを使用する必要があります。
MSDS
MSDSは、規制によって提供される記号と危険指示を使用します。 SDSは16パーツのレイアウトに厳密に従いますが、ほとんどのMSDSの範囲は9パーツから16パーツです。
GHS
GHSの実施後、多くの国や地域でもSDSが採用されており、今後も一律SDSが採用される予定です。

中国のSDS作成主な基準

基本的に中国語で作成します。主な作成基準は以下の6項目があります。

  • GB/T 17519-2013:化学品安全技術説明書編写指南
  • GB 13690-2009:化学品分类和危险公示通则(中国の化学物質の分類と危険性の広報に関する中国の一般規則)
  • GB 15258-2009:化学品安全标签编写规定(化学物質安全性ラベルの作成に関する規制)
  • GB / T 16483-2008:化学品安全技术说明书 内容和项目顺序(化学物質安全技術仕様の内容とプロジェクトシーケンス)
  • GB 190-2009:危険包装
  • GB 30000-2013シリーズ:分類基準