ジェネリック医薬品市場急速な市場の拡大を受け、中国がジェネリック医薬品市場の整備に本腰を入れる姿勢を見せています。
中国は医薬品の安全性・有効性向上及び産業のレベルアップを目指し、2015年頃から新薬・ジェネリック医薬品それぞれについて各種の規制強化を行ってきました。このほど国務院弁公室が公布した新通達はジェネリック医薬品市場の発展に向けての指針を総括するものとなっており、国家主導で産業発展をけん引していく姿勢が如実に現れていると考えられます。

中国のジェネリック医薬品産業は急速な拡大を見せており、国家衛生健康委員会の責任者が2018年4月6日付の経済日報でコメントしたところによると、直近の医薬品認可17万件のうち、95%をジェネリック医薬品が占めているとのことです。ただ、品質のばらつきが激しく、高品質な医薬品の市場が国外企業に押さえられていることもあり、高品質なジェネリック医薬品を適切な価格で購入したいという消費者のニーズを満たすことが困難な状況にありました。
こうした状況を鑑み、国務院は近年、国家食品薬品管理総局(CFDA)を旗振り役として、既に市販されているジェネリック医薬品の生物学的同等性試験を義務付けるなど、品質の向上と業界の規範化を図ってきました。
2018年4月3日付で国務院弁公庁が公布した≪ジェネリック医薬品の供給保障と使用に係る政策の改革・完全化についての意見≫(国弁発[2018]20号)では、ジェネリック医薬品の研究開発促進、品質・効果の向上、各種支援政策の3つの柱が掲げられており、各種制度面からもジェネリック医薬品の発展を後押しする方向性が示されています。

世界第二位の医薬品市場規模を誇る中国においてジェネリック医薬品がどのような成長を遂げていくのか、今後も目が離せないところです。

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(日本アイアール A・U)


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