エネルギー工業2015年2月10日、中国工業情報部から、工業の省エネ管理を強め、省エネ業務の事前事後の監督管理を強化させ、省エネに関連する法律・法規及び政策基準の実行を監督するという「省エネ監察」の役割を発揮させ、工業企業のエネルギー利用効率を高めることを目的として、中国各省・自治区・直轄市及び計画単列市、新疆生産建設兵団が所轄する工業情報化主管部門に向けて、「2015年 工業の省エネ監察重点事業計画」の配布に関する通達が出されました。今回は、その概略を紹介します。

1.特別事業への監察について

(1)電解アルミニウム・セメント業界での段階的・差別的な電気料金政策の執行状況

電解アルミニウム・セメント関連企業の電気使用状況、生産プロセス等の情報を統計、検査し、電解アルミニウム・セメント企業の電気料金使用基準を明確することなどによって、立ち遅れた生産能力のものを市場から撤退させる。

(2)カーバイド・鉄合金業界のエネルギー消費量の制限基準の執行状況

企業の各改善措置の達成状況及びエネルギー消費量の目標達成状況を重点に検査する。

(3)モーターのエネルギー効率向上計画の執行状況

年度内に低効率モーターの廃棄を達成し、モーターシステムの省エネ改造作業を実施する。

(4)石炭燃焼ボイラの省エネ環境保全向上事業の実施状況

重点ボイラメーカー及び重点エネルギー使用企業への監察の強化、工業企業における老朽化したボイラの廃棄及び高効率ボイラの普及状況等への監察を実施する。
関連基準が未達成の工業ボイラの製造、または、工業企業により廃棄対象とされた工業ボイラ・熱供給網に用いるポンプ・バルブ製品の使用も禁じる。

2.通常事業への監察について

(1)重点エネルギー使用企業の省エネ法律法規の執行状況

各レベル政府が所轄地域の重点エネルギー使用企業に対してエネルギー管理制度の構築、省エネ管理措置の実施、エネルギー審査、エネルギー利用状況報告等を監察する。

(2)工業固定資産投資事業の省エネ評価審査実施状況

重点工業企業のエネルギー評価制度の執行状況を監察する。

(3)エネルギー消費量制限基準の徹底執行状況

国また地方政府が定めた関連基準の執行状況を監察する。

(4)立遅れたモータ設備(または製品)の廃棄状況

工業企業における立遅れた設備または製品の使用状況を監察する。

(5)トップランナー制度等その他業務

3.キャパシティビルディング

(1)省エネ監察機構の業務レベル向上

中国内の各種研修の利用や専門家との交流、省エネ案件の解析及びOJT教育、海外先進理念・政策・ノウハウの導入を通じてレベルアップを図る。

(2)省エネ監察機構の法執行力の強化

省エネ監察機構の構築強化や監察モデルの革新等組織の面から法律の執行力をバックアップする。

4.業務に求める具体的なもの

組織管理・法律に則った行政の厳格実行・監察実施・事業分野の開拓等を含む。

出所:中華人民共和国工業情報化部HP 2015年2月10日

省エネの促進・低炭素社会の実現に向けた取り組みは中国政府を始め社会全体の関心事です。
特にエネルギー消費量の多い工業分野における省エネ対策は最重要と認識されており、法整備も含めた環境規制の動向からは目が離せません。


中国法律ニュースはこちら(バックナンバーなど)