安全食品中国全国人民代表大会の常務委員会は4月24日、「食品安全法」の改正案を可決しました。10月1日に施行されます。
食の安全問題への関心の高まりから、2009 年「食品安全法」及び同実施条例が制定・施行されましたが、その後も食品メーカー等による食品安全事件が件が後を絶たないため、同法の改正作業が進められていました。
改正法は計104条から計154条に増やし、内容としては、総則、食品安全リスクモニタリングと評価、食品安全規格、食品生産経営(一般規定、生産経営過程のコントロール、ラベル・説明書と広告、特殊食品)、食品検査、食品の輸出入、食品安全事故対処、監督管理、法的責任、附則から構成されています。
旧法と比較すると、主に以下の点が注目されています。

  • 毒性の高い農薬を国が定める作物(野菜、果物、茶葉など)に使うことを禁じる。
  • 健康食品のラベルに治療効果の表示を禁じる。そして「本製品が医薬品を代替できない」というような声明が必要になる。
  • 乳児用調製食品は、原料の入荷から完成品の出荷まですべての生産過程において品質管理を行う。また乳児用ミルクパウダーの配合は、必ず食品薬品監督管理総局に登録する。
  • オンライン食品取引が監督管理の対象に追加。オンライン食品関係取引について明確に規定され、一般的な義務、管理義務、消費者権益保護義務という三つの義務が設けられた。
  • 生産、流通、販売の遺伝子組み換え食品は関連規定に従い表示しなければならない。
  • 新食品安全法は刑事責任の追及を強化したこと、行政処罰の罰金を大幅に上げたこと、重複な違法行為に関する処罰規定を増設したこと、非法的に場所の提供行為への処罰項目を増設したこと、民事責任の追及を強化したことなどで中国史上「最も厳しい食品安全法」と言われている。

専門家は日系企業に与えるインパクトをについて、以下の点を指摘をしています。

食品製造業者・販売業者の責任が重くなる

食品製造・販売業者に対し、「食品安全トレーサビリティシステム」「食品安全自己審査制度」などの構築を規定し、企業にとって事務的な負担が増大することが予想される。

飲食サービス業者の責任について

中国人の間でも日本料理が好まれるようになり、日系資本の飲食サービス企業も増えていることから注意が必要である。例えば、原料購買・加工・貯蔵・陳列等の安全基準に満たさない場合は、警告・製造停止・営業停止・許可証取り上げるなど厳しく追及される。

新法では、違法行為に対する各種の法的責任(行政責任または刑事責任) が全面的に加重されており、中国で食品関連事業に従事する企業にとって大きな負担を強いることが予想されています。

改正法の全文については以下のサイトをご参照ください
中華人民共和国食品安全法(主席令第二十一号)

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